ヴロツワフ大学(University of Wrocław)はヴロツワフにある総合大学で、300年の歴史があります。ウロツワフという町は学生向きの町で、文化・暮らし・交通・国際アクセス(欧州内)面で魅力的ですが、暮らしやすい環境で自然科学や文系の学問を学ぶには良い大学です。この記事では、ヴロツワフ大学やヴロツワフ大学の英語コースについて ご紹介します。
ヴロツワフ大学の歴史
ヴロツワフ大学は1702年(日本の時代区分で言えば江戸時代中期)に設立された大学です。当時、ヴロツワフはハプスブルク家の領土で、カトリックの神学校としてスタートしました。
1800年代にプロイセン(のちのドイツ)はフランクフルトの大学と合弁し、神学以外にも哲学、医学、法学の学部が設置されました。1800年代には著名な学者が教鞭を執り、ドイツの大学でありながらポーランド人など他国の学生も多かったことが特徴です。この時代からヴロツワフ大学は多民族的で国際的でした。
ドイツの町にあるドイツの大学と認識されていたヴロツワフ大学は第二次世界大戦で閉鎖されることはありませんでしたが、激しい攻撃にさららせて70%の建物が破壊され、終戦時には大学は事実上消滅しました。ヴロツワフ大学の再建はポーランドの手によって行われました。
ヴロツワフ大学のノーベル賞受賞者
ヴロツワフ大学はドイツの大学だった時代、多くのノーベル賞学者を輩出しました。ヴロツワフに縁のあったノーベル賞受賞者は以下の通りです。
テオドール・モムセン(1817-1903)
1902年に「ローマ史」でノーベル文学賞を受賞。ヴロツワフ大学では法学部教授。
フィリップ・レーナルト(1862-1947)
1905年に陰極線の研究でノーベル物理学賞を受賞。ヴロツワフ大学では講師。
エドゥアルド・ブフナー(1860-1917)
1907年に生きた細胞を介さない発酵プロセスを発見した功績により、ノーベル化学賞を受賞。ヴロツワフ大学では教授。
パウル・エールリヒ(1854-1915)
1908年に免疫学の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞。ヴロツワフ大学でも医学を学ぶ。
フリッツ・ハーバー(1868-1934)
1918年にアンモニア合成法を開発したことでノーベル化学賞を受賞。ヴロツワフ出身。
フリードリッヒ・ベルギウス(1884-1949)
1931年に化学的高圧法の発見と分析でノーベル化学賞を受賞。ヴロツワフ大学で学んだことがある。(卒業はしていない。)
エルヴィン・シュレーディンガー(1887‐1961)
1933年に「新形式の原子理論の発見」の業績によりノーベル物理学賞を受賞。ヴロツワフ大学では教授。
オットー・シュテルン(1888-1969)
1943年、分子線法の開発と陽子の磁気モーメントの発見への貢献が認められ、ノーベル物理学賞を受賞。ヴロツワフ大学の卒業生。
マックス・ボルン(1882-1970)
1954年、波動関数の確率解釈の提唱により、ノーベル物理学賞を受賞。ヴロツワフ大学では教授。
ヴロツワフ大学の特徴
ヴロツワフ大学には化学、生物学、物理・天文学などの自然科学、法・経済学、言語・文化、歴史・教育、社会科学などの人文・社会科学で学科があります。
法学部は長い伝統があり、法・行政・経済学部はポーランドで最も大きな学部の1つです。自然科学系では「生物科学」や「地球科学・環境管理」の研究拠点としても知られます。定員数に対する応募者の割合で見ると、心理学、韓国語研究、コミュニケーションデザインも人気です。定員数に対する応募者の倍率は、心理学が32.4倍、韓国語研究が28.1倍、コミュニケーションデザインが19.4倍です。
EduRankによると、ヴロツワフ大学の合格率は56%です。卒業率は公開されていませんが、息子が卒業した法・行政・経済学部の経営学科は4~5割は卒業を断念しています。難易度は学部によって異なるようです。口コミサイトの評価を総合すると、「授業はある一定程度の水準を保っているが、頑張れば卒業できる」といったニュアンスのコメントが多いように思われます。
経営学科だけかもしれませんが、他の国の良家の子弟が多いのも特徴的です。もしかしたら、治安の良さや英語の通じやすさでヴロツワフ大学を選んで留学しているのかもしれません。
ヴロツワフ大学の英語コース
ヴロツワフ大学 学士課程の英語コースは以下の11コースです。(2026年1月13日 時点、カッコ内はコース名の参考訳)
・Biotechnology (バイオテクノロジー)
・Business and Administration (Specialisations: Business, Finance, Governance) (経営学)
・Chemistry (Bachelor) (化学)
・Criminal Justice (刑法)
・Culture, Thought and Humanity (Bachelor) (文化・思想・人間性)
・European Cultures (ヨーロッパ文化)
・International Relations – Global Studies (Bachelor) (国際関係)
・Political Science (4 specializations) (政治学)
・Data and Society (データと社会、新規)
・English for Knowledge, Culture and Innovation (知識・文化・イノベーションのための英語)
・LLB International and European Environmental Law (国際・欧州環境法)
ヴロツワフ大学 学士課程の英語コースは以下の15コースです。(2026年1月13日 時点、カッコ内はコース名の参考訳)
・Administration in International Organizations (国際機関の行政運営)
・Astrophysics (天体物理学)
・Biology: Integrative Biodiversity (生物学:統合的生物多様性)
・Chemistry: Advanced Synthesis in Chemistry (先端合成化学)
・Communication Management (advertising, public relations, branding) (コミュニケーション・マネジメント(広告・広報・ブランディング))
・Culture, Thought and Humanity (Master) (文化・思想・人間性)
・Geography: Tourism and Hospitality (地理学:観光とホスピタリティ)
・Global Communication (グローバル・コミュニケーション)
・International Relations – Global Studies (Master) (国際関係)
・LLM International & European Law (国際・欧州環境法)
・Medical Biotechnology (医療バイオテクノロジー)
・Sociology: Intercultural Mediation (異文化調停)
・Theoretical Physics (理論物理)
・Master of Economics and Finance (経済・金融学、新規)
・Media Content Creation (メディア・コンテンツ制作、新規)
ヴロツワフの特徴の1つはドイツ領であった時代が長かったため、ドイツ的な雰囲気も持っている町です。ヴロツワフ大学の古い校舎には、今でもドイツ語の表記が残っているそうです。ドイツの大学は英語コースがあまり充実していませんので、ドイツ的な雰囲気の大学で英語で学びたい、という方に特に おススメです。
情報ソースの一覧
・ヴロツワフ大学の歴史等: Wikipedia、大学公式サイト
・ヴロツワフ大学の競争率: 大学公式サイト
・ヴロツワフ大学の合格率: EduRank
・ヴロツワフ大学の英語コース: 大学公式サイト



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