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3.ポーランド一般

ポーランドの教育と経済成長

ポーランドは1992年以来、コロナの影響があった2020年を除いては一貫して経済成長率がプラスだった国です。 この経済成長は、ポーランドの教育と大きな関係があると言われています。 今回は、ポーランドの経済とポーランドの教育について 取り上げてみます。

中所得国の罠を脱したポーランド

中所得国の罠とは、新興国が低賃金の労働力等を背景に経済成長を遂げて一人当たりGDPが3,000ドル~10,000ドルに達すると、人件費上昇によって工業品の輸出競争力が失われて成長が鈍化する傾向のことを言います。ポーランドでは 2007年に1人あたりの名目GDPが10,000ドルを超えましたが、その前後で停滞はなく、その後も1人あたりの名目GDPは伸び続けて2024年時点では約25,000ドルにまでに成長しました。

ポーランドが中所得国の罠にはまらずに経済成長を続けられた理由は、教育改革が大きな要因であったと言われています。

ポーランドの教育改革

ポーランド民主化直後の1990年代、ポーランドでは教育が深刻な課題となっていました。課題を解決するため、1999年に以下の4つの教育改革が行われました。

① 学制の変更

旧制度では8年間の初等教育を終えると、15歳の時点で「普通高校(大学進学)」か「職業訓練校」に振り分けられていました。これを全ての生徒が16歳に選択できるように、改革後は日本と同じ 小学校6年、中学校3年、高校3年へと変更されました。これにより、家庭環境や早い段階での選別による教育格差が劇的に縮小しました。

② カリキュラムの抜本的刷新

政府は何をどの時間に教えるかを指示するのをやめ、達成すべき「学習目標」と「コンピテンシー(能力)」のみを定義し、事実の暗記(歴史の年号など)よりも 批判的思考、問題解決、科学的リテラシー、コミュニケーション能力を重視する内容に作り替えられました。また、教師は国が定めた目標に沿っていれば、独自の教科書や教授法を選択できるようになりました。

③ 客観的な評価システム(外部試験)の導入

教育の質を全国的に担保するため、中央試験委員会が管理する「外部試験」が導入されました。具体的には、節目での試験が実施され、小学校6年修了時と、中学校3年修了時の全国統一試験を導入しました。

④ 地方分権化と教師の専門性向上

学校の予算管理や運営権限を、中央政府から地方自治体に移譲しました。また、教師の昇進制度を刷新しました。研修を受け、専門的なスキルを向上させることで給与が上がる「4段階の昇進パス(見習い→契約→任命→公認)」を確立し、教師の自己研鑽を促しました。

教育改革の結果

この改革の直後の2000年に行われたPISA では散々な結果でしたが、改革後の教育を受けた生徒が対象となった2003年以降、スコアは急上昇しました。特に、「かつて職業訓練校に進んでいた層」の底上げが、ポーランド全体の平均点を押し上げたことが統計的に証明されています。

この結果、ポーランドは中東欧最大のIT・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)拠点となりました。世界的なIT企業が高度な教育を受けた英語も堪能な若手人材が豊富で比較的賃金も安いことを理由に、ポーランドに拠点を置くことに繋がりました。

また、教育水準の向上が中間層の拡大し、これが強い購買力(内需)となって、外需が冷え込んだ際も経済を下支えしました。

ポーランドの方たちの教育に対する情熱は強いと思いますが、背景にはこのような成功体験があるためなのかもしれません。

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