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欧州の医学部への留学

当ブログでは、これまで欧州の医学部留学については取り上げてきませんでした。理由は日本で医師免許を取得することを目指すのであれば、欧州を始めとした海外の大学を卒業した場合にはハードルが高くなるためです。一方で、ハンガリーの医学部は近年脚光を浴びていますが、今回は その理由について ご紹介します。

日本の医師免許制度

日本の医師免許制度では、日本の医学部を卒業すると医師国家試験の受験資格が認められます。しかしながら、海外の大学の医学部を卒業した場合、日本の医師国家試験の受験資格は自動的には与えられず、厚生労働省による個別の「医師国家試験受験資格認定」という審査を受ける必要があります。

厚生労働省の審査によって、以下の2つのいずれかに振り分けられます。

医師国家試験予備試験への認定
「日本の医学部と同等」とまでは認められなかった場合、まずは「予備試験」に合格し、さらに1年以上の実地修練(日本の病院での研修)を積むことで、初めて本試験の受験資格が得られます。

直接受験資格認定(ダイレクト)
海外の医学部での修業年限(6年以上)や総授業時間数(4,500時間以上)、現地で医師免許を取得していること(または取得資格があること)などの条件を完全に満たしていると認められた場合、日本の医学部卒と同じように直接、本試験を受験できます。

ヨーロッパで医師免許を取得しても、日本で診療を行うことはできません。EU加盟国で医師免許を取得するとEU域内であればいくつかの条件をクリアできれば医師として従事できますので、それが目的であれば良いのですが、日本の医師免許を取得する場合には、日本の大学の医学部に進学した方がスムーズです。

日本でハンガリーの医学部留学が注目された理由

近年、ハンガリーの大学の医学部への進学が注目を集めた理由は、ハンガリーの大学を卒業して厚生労働省の医師国家試験受験資格認定の個別審査で直接受験資格認定を受けてダイレクトに医師国家試験を受けることができた卒業生の実績が積み重なったことにあります。

厚生労働省は、個々の申請者ごとに書類審査を行い、その大学の教育年限・授業時間数などが基準を満たしていると個別に判断された結果、「予備試験免除・本試験直行」という認定を下しており、単位の一律認定はしていません。ハンガリーの大学の医学部は、個別審査で予備試験免除を獲得し、日本で医師免許を取得した卒業生を多数輩出しており、海外医学部の中でも豊富な実績があります。

この背景には、日本人向けの「ハンガリー医学部プログラム」の存在があります。ハンガリー医学部プログラムは、日本国内で高校生・既卒生を募集し、ハンガリーの医学系大学への進学を支援する制度です。ハンガリー医学部事務局は、厚生労働省への申請・審査を経て受験資格を得るためのサポートも行っており、かつ国家試験対策の勉強ができる仕組みも用意されています。

近年では、ポーランドやチェコなどの医学部についても、日本国内に大学と提携した進学窓口が設けられ、予備コースの運営や受験資格申請のサポート、国家試験対策などを提供するケースも見られるようになっています。

欧州の医学部の難易度

ハンガリーをはじめとする欧州の医学部留学が脚光を浴びたもう1つの背景には、日本国内の医学部受験の過熱化があります。確かに、欧州の医学部はヨーロッパの一般的な大学と同様に、日本の医学部と比較すると、入学のハードルは比較的低いと言えます。

しかしながら、卒業のハードルは日本の医学部に比べて極めて高く、特に1〜3年次の基礎医学で苦戦しやすくといわれ、一部には「3割進級・3割留年・3割退学」とその厳しさが表現されることもあります。日本の医学部も進級は決して容易ではありませんが、ここまで多くの学生が留年や退学を余儀なくされるケースは稀です。

当ブログでは、こうした卒業の厳しさや、国試受験までのプロセスを考慮し、これまでポーランドなど他国の医学部留学についても慎重なスタンスをとってきました。しかしながら、ポーランド等でもハンガリーのように日本国内でのサポート体制や実績がさらに成熟していけば、将来的には有力な選択肢となる可能性があります。今後もその動向を注視していきたいと思います。

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