2026年4月27日から、対象となる滞在許可の申請がオンライン化されました。1年以内の短期留学であればビザの有効期間内で過ごすことが可能ですが、1年を超える正規留学などの場合はビザ延長ではなく一時滞在許可の取得が必須となります。今回は、日本人留学生が知っておきたい変更点や注意事項を紹介します。
留学ビザと滞在許可
学生ビザと滞在許可(カルタ・ポビトゥ / Karta Pobytu)は全く別の制度です。学生ビザは、ポーランドへの入国や一定期間の滞在を認めるものです。一方、滞在許可は、ポーランド国内で一定期間を超えて滞在するための許可で、留学生の場合は学生向けの一時滞在許可が代表的です。滞在許可を取っておくと、以下の点で便利です。
1. ビザの期限を超えて留学を続けられる
学生ビザの有効期間が終わった後も留学を続ける場合、学生向けの一時滞在許可を取得すれば、許可された期間、ポーランドに滞在できます。学生向けの許可は、初回は一般的には15か月または在学期間に3か月を加えた期間で、2回目以降は最長3年間です。ビザの期限が近づくたびに日本へ帰国してビザを取り直す、といった対応を避けやすくなります。
2. ポーランドへの再入国がしやすくなる
有効な滞在許可カードとパスポートを持っていれば、許可が有効である限り、原則としてポーランドへの再入国にポーランドのビザを別途取得する必要がありません。例えば、留学中に日本へ一時帰国したり、休暇中にポーランド国外へ旅行したりする際に役立ちます。
3. シェンゲン協定加盟国への旅行にも利用できる
有効な滞在許可カードとパスポートがあれば、入国・短期滞在の条件を満たすことを前提に、他のシェンゲン協定加盟国にも旅行できます。滞在できる期間は、原則として他国での滞在について「あらゆる180日間の期間内で合計90日以内」です。例えば、ドイツ、チェコ、フランスなどへの週末旅行や長期休暇中の旅行がしやすくなります。
4. 就労や生活上の手続きを進めやすい
全日制課程の学生が一時滞在許可に基づいて合法的に滞在する場合、就労許可なしでアルバイト等が可能です。滞在許可カードは、滞在資格を証明する書類としても利用できます。(ただし、就労については、ビザの種類、在学状況、就労条件などによって判断が異なります。滞在許可を取得するだけで、すべての留学生の就労条件が有利になるわけではありません。)
滞在許可の手続きと従来の手続きの問題点
従来は、居住地を管轄する県庁(Urząd Wojewódzki)に申請書やパスポート、写真、大学の在学・入学証明、生活費や医療保険などに関する書類を提出するのが基本でした。
申請後は、本人確認や指紋採取、追加書類の提出などを経て審査が行われます。許可が下りた後に滞在許可カードを受け取りますが、審査やカード発行にかかる期間は状況や県庁によって異なります。
従来の手続きでは、県庁の窓口予約が取りにくいことや、申請後の審査に長い時間がかかることが問題になっていました。外国人の口コミサイトでも、予約や書類の準備に苦労した経験や、申請から長期間待っているという声が見られます。
待ち時間や窓口の運用は地域や時期によって異なりますが、ルセップの会員様も、役所で申請する際に英語対応の窓口とポーランド語の窓口が分かれており、英語対応の窓口が混雑していて大変だったというお話を伺ったこともあります。
新制度での手続きと注意点
2026年4月27日から、対象となる一時滞在許可などの申請は、MOS(Moduł Obsługi Spraw:Case Handling Module)というオンラインシステムを通じて行うことになりました。申請のために窓口の予約を取る必要がなくなり、入力途中のデータを保存して、後から手続きを再開することもできます。但し、指紋採取などは引き続き窓口で手続きを行う必要があります。
学生向けの申請では、大学側もオンライン手続きに対応する必要があります。大学の手続きが完了しないと、申請者は申請を送信できず、必要書類の準備や大学とのやり取りに時間がかかることもあります。申請は、原則としてポーランドで合法的に滞在できる最終日(留学ビザの失効日など)までに行う必要があります。
また、申請には本人の電子署名などの準備が必要です。パスポートの全ページの画像や規定に合った写真、手数料の支払証明なども用意します。送信後は申請内容を自由に修正できないため、入力内容を十分に確認することが大切です。
注意点としては、以下の点です。
・ オンライン化されたからといって、すべての手続きが自宅で完結するわけではありません。申請後に県庁への出頭や指紋採取、追加書類の提出を求められる場合もあります。
・申請受付の証明書(受領証やスタンプ)は、滞在資格の審査中であることを証明するのみであり、有効な渡航書類の条件を満たさないため、シェンゲン域内を旅行したり、ビザなしでポーランドへ再入国したりすることはできません。
滞在許可申請は少し楽にはなりましたが、依然として煩雑な手続きも残っており、従来通り早めに準備を始めて頂いた方が良さそうです。
参考情報
ポーランド外国人局:MOSのよくある質問(英語)
ポーランド外国人局:MOSシステムの開始について(英語)
Study.gov.pl:ビザ申請について(英語)
ポーランド外国人局:学生向け一時滞在許可(英語)





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