2026年6月13日に法政大学で行われた欧州留学フェア2026では、70以上の欧州の大学や大使館、日本の留学関連の団体が出展していましたが、今年はポーランドの大学からウッチ(ロッチ)工科大学、AGH科学技術大学(AGHクラクフ大学)、ルブリン国立医科大学が出展しました。
ウッチ工科大学とAGH科学技術大学には個別にお話を伺いましたが、今回はウッチ工科大学から伺ったお話で印象的だった内容をご紹介します。
ウッチ工科大学の強力な産学連携
ウッチ工科大学(Łódź University of Technology)は以前に こちらの記事で 扱いましたが、前回紹介しきれなかった最大の特徴が、同大学の産学連携の深さです。(リンク先は当ブログの該当記事)
ウッチ工科大学の産学連携は、共同研究に留まりません。大学の授業を含む教育プロセス全般にかかわっています。ウッチ工科大学では、カリキュラムの設計段階から企業が参画しており、工学系大学ではあるものの、講義だけではなく企業が提供する実際の企業課題を題材にしたケーススタディとして教育に取り入れている点も特徴です。
授業だけでなく、試験にも企業が関わっており、実践的なケーススタディ形式による必修科目の一つとして「コンピテンシー試験」が課されます。
コンピテンシー試験は知識や能力を評価するプロセスが実際の産業界の環境にできる限り近いものとなるように、企業が実際の業務をもとにした課題テーマを提供します。学生は解決策を提示し、その内容について試験委員会の評価を受けます。
学生は在学中を通じて企業の実務家と直接交流できるほか、一部の提携企業は大学キャンパス内に専用の研究室や教育施設を設置しており、企業が学生との交流会を開催するなどの取り組みをしています。ウッチ工科大学では企業と学生が日常的に接点を持てる環境が用意されています。
ウッチ工科大学が提携している企業には富士通やボッシュ、シーメンスなどがあります。富士通ポーランドが課題提供・試験委員として参加したコンピテンシー試験の様子はこちらのFacebookの投稿にもあります。
ウッチ工科大学の留学生と日本の大学との提携
ウッチ工科大学には1万数千人の学生がいますが、約500人の正規留学生がおり、毎学期約350名の交換留学生を受け入れています。現在在籍している日本人学生は数名程度と多くはありませんが、日本での大学紹介・広報活動は始まったばかりとのことで、今後の増加を期待しているとのことです。
留学生に対してはメンター(Buddy)制度やオリエンテーション・デーといったサポートプログラムも用意されています。
ウッチ工科大学は日本の大学との提携を希望しているとのことですが、現在提携している日本の大学は以下の通りです。
・静岡大学:研究協力
・名古屋工業大学:研究協力
・芝浦工業大学:学生交流
・京都工芸繊維大学:複数学位を目的としたWeTeamプロジェクトに共同参加
所感
ウッチ工科大学は近年ポーランドの大学でランキングを上げている大学の1つで、日本の大学にはないレベルで産学が連携しています。正規留学を考える方にも、交換留学やダブルディグリーなどのプログラムを検討する日本の大学にとっても、非常に魅力的な大学だと思います。
取材に応じてくださった担当者の方は、次のように述べていました。
「私たちは、日本が世界をリードする技術大国であると考えており、その技術力は、急速に発展しているポーランドの可能性と非常に良い相乗効果を生み出せると信じています。そして、その可能性は、実際にポーランドで事業を展開している日本企業の事例などを通じて、すでに見ることができています。」
日本ではまだあまり知られていませんが、産学連携という点ではポーランド国内でも屈指の取り組みを行っている大学であり、今後さらに注目されてもよい大学だと感じました。











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