プラハ・カレル大学は、中央ヨーロッパ最古級かつチェコ国内最高峰の総合研究大学です。医学・人文学・自然科学に特に強く、世界ランキング上位2%以内に常時入る研究重点型名門大学です。今回は、プラハ・カレル大学についてご紹介します。
プラハ・カレル大学の概要
プラハ・カレル大学は、1348年に創立され、創立者であった神聖ローマ皇帝でありボヘミア王でもあったカール4世にちなんで命名されました。チェコ国内において最難関かつ最高峰の大学としての地位を不動のものとしており、特に医学、法学、哲学(人文学)、自然科学では「エリート養成機関」というイメージを持たれています。
国際的に著名な専門家が多く在籍する高水準な教員陣や、プラハ全体に点在するキャンパスは、歴史的な魅力と近代的な設備が融合している点を評価する学生は多いようです。
一方で英語サポートが限られる場面があったり、伝統を重んじる格式高いエリート校というイメージが強いため「保守的でとっつきにくい」というイメージを持つ学生も一定数いるようです。
プラハ・カレル大学の歴史
1348年に設立された当初、プラハ・カレル大学には神学、法学、医学、自由学芸の4学部が置かれました。プラハ・カレル大学は宗教改革の発信地にもなっており、当時は大きな影響力を持っていました。
しかしながら、三十年戦争(1618〜1648年)でハプスブルク家の支配が強まったことで、大学の影響力は一時縮小しました。1800年代には、チェコ人とドイツ人の学内対立が高まった結果、2大学に分割されました。
第一次世界大戦後、プラハ・カレル大学は民主化・国際化を推進し、国際的な評価をさらに高めていきます。この時代、自然科学・物理数学・教育・薬学などの各学部が次々と開設されました。第二次世界大戦中は、ナチス・ドイツによって ほぼ閉鎖状態に追い込まれましたが、戦後は共産政権の下で運営されます。
戦後に起こった民主化運動(1968年「プラハの春」)では、プラハ・カレル大学の学生や教職員が先頭にたって運動を展開します。ソ連の軍事介入によって鎮圧されてしまいますが、ポーランドの民主化と同時期の1989年にはチェコも民主化され、その後は大学も再び民主化・国際化が行われて発展し、今日に至っています。
プラハ・カレル大学の特徴
プラハ・カレル大学は、神学系の3学部、医学系の5学部、自然科学系3学部、人文・社会学系の6学部の計17学部があります。
神学部に3つも学部があるのはヨーロッパでも珍しい構成です。カトリック神学部、プロテスタント神学部、フス派神学部の3学部が設置されています。医学部に5つも学部が設置されているのも大変珍しい構成です。
プラハ中心部に位置する第1医学部は中欧でも高い評価を得ており、腫瘍学・心臓血管医学・神経学・遺伝代謝疾患分野での研究で有名です。医学部の他には、法学部、エジプト学も有名です。
プラハ市内に分散して点在するキャンパスには歴史的な建造物もあり、歴史的な魅力と近代的な設備が融合しています。歴史的な町での生活に満足する学生の声もあります。一方で、英語サポートが限られる場面もあり、大学の手続き関連では、困難に直面する学生の声もあるようです。
お茶の水女子大学、一橋大学、立命館大学、金沢大学、上越教育大学といった日本の大学とも提携していますので、大学で日本人を見かけることもあると思います。
EduRankによると合格率は35%程度ですが、医学部(特に第1医学部)の合格率は特に低く、2018〜2019年の入学実績では約17%というデータもあります。「学部や教授の裁量権が非常に大きく、良くも悪くも『何をどう学ぶか』は教授の個性や学生の主体性に委ねられている」という側面もあります。そのため、全ての分野で一様・画一的な手厚いサポートが期待できるわけではありませんが、全般的に教育レベルも高く、ハードな授業も多く、特に医学部系は非常にハードなようです。
プラハ・カレル大学の英語コース
プラハ・カレル大学は、英語だけで卒業できる英語コースは修士向けでは充実していますが、学士向けには7つしかありません。うち、3つは医学・薬学系です。ポーランド同様、チェコの医学部を卒業しても無条件で日本の国試を受けられるわけではありませんので、医学部系を除くと、実質以下の4コースになります。
・Law and Legal Science(法律・法学)
・Liberal Arts and Humanities(リベラルアーツ)
・ Bachelor in Economics and Finance(経済・金融)
・ Protestant Theology(プロテスタント神学)
ポーランドの大学との比較
プラハ・カレル大学は首都にある最高峰の大学という点ではワルシャワ大学、歴史がある大学という点ではヤギェウォ大学、最高峰の医科大学という点ではワルシャワ医科大学といったポーランドの大学の特徴を併せ持つ大学である反面、学士課程向け英語コースの数ではポーランドの大学には劣ります。
学士課程向けの英語コースでは、ワルシャワ大学は11コース、ヤギェウォ大学は6コースで、これらのコースの中には医学系と神学系の英語コースは含まれておりません。一方、プラハ・カレル大学は、医学系と神学系を除けば、実質3つしかありません。チェコやポーランドを始めとしたヨーロッパの医学部を卒業した場合、日本で医師国家試験を受験するには個別審査など一定の条件があります。
自分の学びたい専攻がピンポイントでこの少数の英語コースに合致していれば素晴らしい選択肢になりますが、「選択肢の豊富さ」や「留学生向けのサポート体制」という総合力で比較すると、同じ立ち位置にあるポーランドの主要大学(ワルシャワ大学やヤギェウォ大学)の方に軍配が上がりそうです。







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