アメリカやイギリス、オーストラリアなど英語圏では、留学生の国籍はインドや中国が最上位にきますが、ポーランドでは、そのような英語圏の国々とは異なり、インドや中国が最上位にくることはありません。今回は、ポーランドに留学する学生の国籍について ご紹介します。
欧米圏での留学生の国籍
アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドといった、代表的な英語圏の留学先では、留学生の国籍の1位と2位はインドと中国で占められています。非英語圏では必ずしも中国・インドが上位を独占するとは限りませんが、例外的にドイツでは近年、インドと中国が1位・2位を占めています。
インドも中国も人口が多い国なので、留学生の国籍で最上位に入りするのは当たり前かもしれませんが、幾つか別の理由も考えられます。
これらの英語圏の国々やドイツでは、学位取得後にその国で就労し、その後永住権を取得するのが比較的容易であると言われています。また、留学エージェントが大きな産業となっており、留学エージェントがこれらの国々を勧めることも大きな理由とされています。そして、これら結果としてインドや中国のコミュニティーが形成されており、複合的な要因が背景にあると思われます。
一方、非英語圏のポーランドでは、インドや中国は留学生の国籍の最上位には入っていません。圧倒的に多いのはウクライナからの留学生です。
ポーランドでの留学生の国籍
ポーランドの留学生の数はここ10年で約2.5倍になり、2024年秋 ‐ 2025年春での留学生の数は、約10万人強でした。留学生の国籍の1位はウクライナ(44~45%)、2位がベラルーシ(10~12%)、3位がトルコ、ジンバブエ(3~4%)、4位がインド(2~3%)、5位がアゼルバイジャン(2~3%)でした。
欧米圏の留学生はアジア人が上位を占めていますが、ポーランドではウクライナ・ベラルーシ等を含めると概ね70%前後が欧州出身です。
ウクライナからの留学生は、ウクライナ戦争以前から多く、戦争が始まる直前の2019年秋 ‐ 2020年春で当時の留学生数全体の45%に相当する39,000人がウクライナ国籍の留学生でした。地理的な近さや言語的な類似性(いずれもスラブ系言語)といった要因が背景にあると考えられます。
ウクライナ戦争開始直後の2022年秋 ‐ 2023年春では、48,000人弱まで増加していますが、これは「避難・滞在中の教育継続」としてポーランドで勉強する人が増えたことも大きく影響しているようです。
ウクライナからの留学生はポーランド語のプログラムを履修するケースも多いため、ウクライナからの留学生が過半数を占めるような極端な偏りは、少なくとも息子が通っていたヴロツワフ大学 経営学科の英語コースではありませんでした。おそらくは全般的な傾向だと思われます。
国籍ごとの人気学科
ポーランドに留学している学生に人気のある学科は、ビジネス・経営・経済系や情報技術・コンピュータサイエンスと言われています。工学・技術系や社会科学・国際関係・政治学がそれに次ぎます。
人気の学科は留学生の国籍によっても異なるようで、以下のような傾向があるようです。
・ ウクライナ国籍の留学生: 社会科学・経営、観光・サービス系
・ ベラルーシ国籍の留学生: 管理・社会系
・ インド国籍の留学生: 医療・工学・IT系
・ トルコ国籍の留学生: 工学・技術、ビジネス系
・ アフリカ等の国籍の留学生: 幅広い分野選択
この情報からすると、経営学関連の英語コースではウクライナやベラルーシ、トルコ国籍の留学生が多いことになりますが、ヴロツワフ大学 経営学科の英語コースではウクライナ出身の留学生が比較的多めにいることは息子の話にでてきても、それ以外の国からの留学生が多い、という話は聞いたことがありません。
息子がヴロツワフ大学に入学したのはウクライナ戦争が始まった年でしたが、それでもウクライナ出身のクラスメイトは全体の1割程度だったようです。
1つの国に大きく偏るとその国のコミュニティーができてしまうので、留学生同士の交流も阻害されやすい傾向がありますが、留学生の国籍に大きな偏りがなかったので、息子は卒業するころには様々な国の親しい友人がたくさんできていました。今では「世界中に友達がいるから、どこでだって生きていける」と豪語しています。
ポーランド留学の隠れた魅力は、こうした国籍の多様性とバランスの良さにあるのかもしれません。
情報ソース一覧
・ アメリカの留学生の国籍: Wikipedia
・ イギリスの留学生の国籍: www.dl1.en-us.nina.az
・ オーストラリアの留学生の国籍: Wikipedia
・ カナダの留学生の国籍: immigration.ca
・ ニュージーランドの留学生の国籍: Crossborder migrations
・ ドイツの留学生の国籍: icef monitor
・ ポーランドの留学生の数等: Polish Economic Institute
・ ウクライナ出身者の専攻傾向: Poland Weekly
・ ベラルーシ出身者の専攻傾向: NAWA
・ インド出身者の専攻傾向: Economic Weekly
・ トルコ出身者の専攻傾向: Study in Poland
・ アフリカ等の専攻傾向: Economic Weekly








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