前回のブログ(「ポーランドの兄弟国・ハンガリー」)では、両国の違いを中心に大学制度の違いにも軽く触れました。今回はその続編として、ポーランド留学とハンガリー留学の違いをより詳しく掘り下げていきます。
ポーランドの大学とハンガリーの大学の数
ハンガリーとポーランドの大学の基礎データは以下の通りです。(大学とは高等教育機関を指しています。)

ポーランドでは2024/25年度に352の大学があり、約128万人の学生が在籍しています。公立大学に在籍する学生は全体の63.9%を占めています。
一方、ハンガリーには現在64の認定大学があり、その内訳は州立6、私立37、教会系21となっています。OECDによると、大学に在籍する学生の割合は22.5%です。
この数字を見ると、ハンガリーはポーランドと比較して、大学の数が少なく、また公立大学に在籍する学生の割合も低いことが分かります。
ただし、ハンガリーの大学制度は日本やポーランドとは異なり、私立大学だけでなく、教会系大学や財団が運営する大学なども存在します。そのため、「国公立大学」と「私立大学」という日本的な二分法だけで比較するのは難しい事情もあります。
ポーランドとハンガリーの人気の専攻分野
ポーランドとハンガリーを比較すると、ハンガリーの方が学ぶ分野に偏りがあります。OECDの「Education at a Glance 2025」によると、学士課程の卒業生に占める専攻分野の割合は以下の通りです。

ポーランドでは「ビジネス・経営・行政・法学」の卒業生が29%とOECD平均の23%を上回っています。一方、ハンガリーは23%で、OECD平均と同じ割合です。また、ハンガリーではSTEMが24%とOECD平均を上回っています。
こうしたビジネス系専攻の人気を反映してか、ポーランドにはワルシャワ経済大学(SGH)やコズミンスキー大学など、世界のビジネススクールの1%しか取得できない「トリプルクラウン」認証(AACSB・EQUIS・AMBA)を保持する名門校が2校もあります。
一方ハンガリーには、この3認証すべてを取得した大学はまだありません。ハンガリーの代表的なビジネス・経済系大学であるブダペスト・コルヴィヌス大学はAACSBとAMBAを取得しており、現在EQUISの取得を目指しています。
工科大学では、ポーランドには、ワルシャワ工科大学やAGH科学技術大学など、国際的にも評価されている工科系大学が複数あります。ハンガリーにも、ブダペスト工科経済大学(BME)など国際的に評価されている大学もありますが、ポーランドほどにはありません。
全般的に、ハンガリーは有力な大学が一部に集中している傾向があり、ポーランドほど選択肢の幅は広くありません。これは一長一短ですが、ハンガリー決め打ちで大学選びを進める場合は、ポーランドに比べて候補となる大学の数自体は少なくなる点を念頭に置いておくとよいと思われます。
授業の傾向と英語コース
ポーランドの大学もハンガリーの大学も、同じヨーロッパの高等教育制度を取り入れていますので、ベースは同じです。イメージとしては、ハンガリーの方が論理的な基礎や専門知識を重視し、ポーランドは特に工科大学やIT、ビジネスなどの分野でインターンシップや実学を重視する大学がある印象です。
留学生の受け入れについては、明確な統計的な差があり、ポーランドよりハンガリーの方が積極的です。ポーランドの留学生比率が約6.6%に対して、ハンガリーは約14.4%です。ハンガリー、ポーランドともに英語コースの数は数百以上あり、両国とも英語で学べる選択肢は非常に豊富です。
「欧州の医学部への留学」でも触れた通り、ハンガリーの医学部卒業生は、厚生労働省の個別審査によって医師国家試験の受験資格を直接認定された実績が豊富です。帰国後に医師免許を取得することを考えるのであれば、ハンガリー留学は非常におすすめです。
ハンガリーの有名大学
ハンガリーを代表する大学とポーランドで対応する大学のイメージは以下の通りです。(ハンガリー国内で持たれているイメージに近いポーランドの大学として「ポーランドで対応する大学」を選んでいます。)

次回以降、総合大学の代表としてエトヴェシュ・ロラーンド大学、工業大学の代表としてブダペスト工科経済大学、ハンガリーへの医学部留学について ご紹介します。







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